カテゴリ: 俳壇

●ひたぶるに露草白き雨後の朝    小川智子

●礼状は和紙の葉書やこぼれ萩    藤原 哲

●風の音に秋の気配のあることも   仲田直美

●掌に掬ひ嚙んで確かむ今年米    阿部 治

●名月に影の退ぞくレルヒさん    鹿島真順

●片羽を引きずる鳩や梅雨雲    小川智子

●藁筆の文字の野性味夏の雲    阿部 治

●啄木の泣きぬれし浜皐月波    鹿島真順

●役職を離れし旅やサングラス   藤原 哲

●納涼の地産地消の赤ワイン    仲田直美



(センター50年に寄せて)
●宿坊に祝の荘厳蛍舞ふ    
藤原 哲

●背戸出れば海はすぐそこ浜昼顔  
仲田直美

●夏座敷小さき机はわが書斎    
小川智子

●皐月波おけさの島へ船新た
    阿部 治

●風鈴や空の言伝ひとつずつ    鹿島真順

●山開南葉の山の祝詞かな      阿部 治

●夏の星終わりの住処に三十年    鹿島真順

●残花みな散らして池へ去りし風   
小川智子

●空調の風吸ひ込みし鯉幟
      木村澄子

●白靴で一歩踏み出す試歩の我    
仲田直美

●アカシヤの花の香今朝の湖畔宿 
  藤原 哲

●春の雷叱正と聞く忌日かな    鹿島真順

●電車待つゼロ番線の遅日かな   藤原 哲

●鳥一羽乗せていづこへ花筏    仲田直美

●買物の袋諸手に東風の夕     小川智子

●蓮池や穢土も浄土もここにあり
  阿部 治

●おぼろ月路地行く猫のしのび足  仲田直美

●保護猫に再び春の訪れし
     藤原 哲

●伝えゆく祖師の教えや蓮如の忌  鹿島真順

●東風そよぐ鹿の耳にも手水にも  木村澄子

●平鍬に禊打ち込む雪解晴  
   阿部 治


●鶏に悔やみを述べて寒卵   仲田直美

●末法の世に立つ参道枯木立  鹿島真順

●一年を生きた喜び除夜の鐘
  阿部 治

●成人の日や教え子の大人顔  木村澄子

●浜汁の大鍋湯気寒稽古
    藤原 哲

●手のひらに終ひの一葉柿落葉   阿部 治

●歴史館時雨晴れ門の忘れ傘    鹿島真順

●重たさも寝心地のうち綿蒲団
   藤原 哲

●寝坊するつもりの朝の雪起し  
 仲田直美

●変幻の冬の雲あり山河あり   鹿島真順

●空地より寂し枯野の顕彰碑
   藤原 哲

●快晴や独り勤労感謝の日    木村澄子

●爺婆の句を添へ醂し柿
     阿部 治

●手の平に一句どうぞと散る紅葉 仲田直美

●黒塀の小路の風や新松子
 豊の秋農家総出の直売所     藤原 哲

●葉隠れに通草三つや熟れにけり    
 賑はへる秋満載の道の駅     阿部 治

●方策によろこびもし稲雀
 秋晴れの一ト日の熱を畳みけり  鹿島真順

●浜風を入れてもてなす夏座敷   仲田直美

●水玉の残る手籠の茄子かな    
阿部 治

●坪庭の松に向き合ふ端居かな   鹿島真順

●山宿の夏炉煙りし薄暮かな    藤原 哲



●麦秋や戦の地にも農地あり    阿部 治

●用水の水満々や蛇苺       
藤原 哲

●夏帽子帽子嫌ひも新調し     木村澄子

●おかっぱのこの子が私昭和の日  仲田直美

●日照雨にも一声応え蟇      鹿島真順


●子どもの日兄追ひかける三輪車   仲田直美

●百年を見守りくれし白躑燭     阿部 治

●独り居の夜は伽とし雨蛙      鹿島真順

●上の間は格天井や飾武具      藤原 哲

●ラベンダー北の大地に向きて咲く  木村澄子

●硯海に香り残して卒業す    阿部 治

●隠し事できない花ね連翹は   仲田直美

●蛙にも一目散といふ歩幅    鹿島真順

●羊の毛刈る牧童の眼の青さ   木村澄子

●回覧板隣家向かふも花の道   藤原 哲




●あれこれと畑の設計種袋     阿部 治

●米一升手に集ひ来し彼岸寺    藤原 哲

●彼岸会や戦なき世の空孤高    鹿島真順

●予報では名残の雪といふけれど  
仲田直美

●寒鴉サーファーたちの濡れ羽色
 悴める手から受け取る宅急便   
仲田直美

●狛犬に雪一尺の土産社
 雪こざき届く朝刊袋り      
阿部 治

●雪もまた馬上謙信有情とも
 雪を引く苦労も狭庭あればこそ  鹿島真順


●元朝の内陣巡る手燭の灯
 書初や名を書く余白無き大書   
藤原 哲

●雲を脱ぎ光る火打や冬うらら  鹿島真順

●君逝くや入日に淡き冬薔薇   阿部 治

●湯豆腐の角残りし土鍋かな   藤原 哲


●一茶忌や午後の一ト時句座囲む    仲田直美

●「ナマンダブ」意味わからずも報恩講 阿部 治

●そそくさと行き交ふ人や帰り花    藤原 哲

●母許へ峠ひとつや冬りんご      鹿島真順

●爽籟や鐘楼ありし古き寺   仲田直美

●子規逝きて百有余年柿熟るる 鹿島真順

●秋桜作務衣姿の料理人    
藤原 哲


 ~~お詫び~~
諸事情により、更新が遅くなってしまいました。
楽しみにお待ちいただいた皆様に大変ご心配をおかけしました。
この場を借りて、お詫び申し上げます。

●サクサクと稲刈る音や遠き日に 阿部 治

●胡弓の音聞こへてきそう秋の暮 仲田直美

●こほろぎや我もこの地の一過客 
鹿島真順

●蛇穴に入りて災禍の世事離る  藤原 哲


 ~~お詫び~~
諸事情により、更新が遅くなってしまいました。
楽しみにお待ちいただいた皆様に大変ご心配をおかけしました。
この場を借りて、お詫び申し上げます。

●丼を飲み干す先の雲の峰    仲田直美
 一言を選び一口ソーダ水    仲田直美

●夏期講座親鸞さんに会う会話  
鹿島真順
 芭蕉句碑朽ちたる文字や杉落葉 鹿島真順

●休業の要請近き海開      
藤原 哲
 旧市名旧局番の日除かな    
藤原 哲


 ~~お詫び~~
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この場を借りて、お詫び申し上げます。

●延期せし御遠忌迎へ明易し   藤原 哲

●越後路に青田風あり千切れ雲  
仲田直美

●母のこと信濃のことと笹粽   鹿島真順


 ~~お詫び~~
諸事情により、更新が遅くなってしまいました。
楽しみにお待ちいただいた皆様に大変ご心配をおかけしました。
この場を借りて、お詫び申し上げます。

●玉手箱開けてワクチン亀の鳴く  仲田直美

●前向きな自粛暮しや柏餅     
藤原 哲

●母の日や十七回忌の経つ忌日   鹿島真順

●意気込みの程は回らぬ風車  藤原 哲

●貴婦人の過ぎれば香水石畳  
鹿島真順

●雪の果化粧直しの妙高山   仲田直美 

●補助輪の幼の背押す春の風   仲田直美

●夜を待つは人待つに似て月朧  
鹿島真順

●山裾の春田を分かつ単線路   藤原 哲 

●懐へ弥陀の国より涅槃西風     藤原 哲

●マスクして紅を引かずに早ヤ一年  
仲田直美

●読みさしをまた読みさして春炬燵  鹿島真順 

●裸木となりて大樹の威容かな   仲田直美

●大雪に遭ふも親しき郷里かな
   藤原 哲

●来し方を振り返るのみおらが冬  鹿島真順 

●柿落葉村は過疎化と急ぎけり   鹿島真順

●木の葉散る寺の境内仕舞講
    仲田直美

●しんがりは補助輪の音冬ぬくし  藤原 哲

●信濃より支援の御礼林檎かな  藤原 哲

●昼食は栗飯と決め行く小布施
  仲田直美

●金谷山ここにも独り月の客   
鹿島真順

●秋高し瑞穂のくにの桃源郷     鹿島真順

●待望の一雨来たり大根蒔く
     仲田直美

●爽やかや緑にコーヒー置き留守居  
藤原 哲

●夏木立聖人像の旅姿       仲田直美

●金箔に遊ぶ天女や堂涼し     
藤原 哲

●燕の子縺れて風にひょいとのる  
鹿島真順

●太宰読みし青春もありさくらんぼ   仲田直美

●轉りや百メートルを耳に問う     
鹿島真順

●万緑や長きに庇のカフェテラス    
藤原 哲

●噴水の縺れし風にふれながら     鹿島真順

●再開に希望の五月スケジュール    
藤原 哲

●若葉風部屋に招じて家居かな     仲田直美

●砂払ふ指の春日やシーグラス     藤原 哲

●わが狭庭桜名所と決めひとり     
鹿島真順

●シャッターの下りた街並み朧月    仲田直美

●夕暮の風にうなずく沈丁花     鹿島真順

●尼様の五色団子や涅槃の日     藤原 哲

●オフィスの一斉換気冴返る     仲田直美

●転倒の癒きし傷も初鏡     仲田直美

●春隣下駄箱にあるうす埃    鹿島真順

●主なき町家の庭や寒椿     藤原 哲

●一年の納めの句座や煤払い    藤原 哲

●鰤起し轟き目覚む能登の宿 
   仲田直美

●縄組めば縄熱くなる冬囲い    鹿島真順

●黄落の一葉浮かぶ手水鉢    仲田直美

●無人駅無人に戻る夕時雨    鹿島真順

●冬晴や僧衣の集ふ喫茶店    藤原 哲

●頭上にはハンググライダー秋日和   仲田直美

●朱鷺を魅てトキに見られて秋麗    鹿島真順

●経本に付箋の稚児や御取越      藤原 哲

●着工の日を指折りて天高し       藤原 哲

●明かり消し無言で仰ぐ今日の月     江口章子

●墨の香のほのか六畳虫しぐれ      鹿島真順

●十五夜を西へ東へ飛機よぎる      仲田直美

●旅仕度迷わず持参夏帽子       江口章子

●むら雲の遮る流れ天の川       仲田直美


●曇日に時かけて煮る夏だいこ     鹿島真順


●捨てるもの積み上げてみて部屋暑し  藤原 哲

●梅雨寒やいらいら募る待合室     江口章子

●蓮ひらき我の先にも風の道      江口章子

●明洞の眠らぬ夜や夏の月       仲田直美


●蓮見茶屋よしずを回すもてなしも   仲田直美


●よき風に姿を解きて白蓮華      鹿島真順


●飲んで酔ひ見て酔いたるは紅はちす  鹿島真順


●山寺や涌水集む苔涼し        藤原 哲


●久闊をほどく一献蓮見舟       藤原 哲

●紫蘭咲く途次で受けとる郵便物  鹿島 真順


●燕過る閉店セール最終日     仲田 直美

●山寺の茶話会親し柏餅      藤原 哲

●タージ・マハル佇ちて現世の春うらら 横山宣子

●楽の音に揺れる枝垂の桜かな     仲田直美


●踏み台に背伸びの柄酌花祭      藤原哲


●心持ちすでに宴へ夕桜        鹿島真順


●母見舞ひ急ぐ家路や春の暮      江口章子


●赤飯を上げる雛のおちょぼ口    仲田直美

●ゆっくりと歩す杖先に風光る    江口章子

●凪ぐ海へ背十の山より雪解風    鹿島真順

あたふたと芝火の後を追ひにけり  藤原 哲


●垣根ごしわが輩は猫十二月     鹿島 真順

●冬薔薇医師の机上の香のほのか  仲田 直美

●時雨るゝや墨絵ぼかしの比叡山   藤原 哲

●パスポートインド話の冬座敷     横山 宣子

●柿が好き種をぷいぷい飛ばしをり  鹿島真順

●色付きて見頃の木々も冬構      江口章子

●説法のお国訛りやお講凪       藤原 哲

●冬ぬくしインドの旅へ夢一歩     横山宣子

●泥つきの大根売らるる道の端    仲田直美


●紅葉狩奥日光の二十人      横山宣子

●月今宵庄屋の蔵の窓ひとつ    鹿島真順


●古希といふ節目に集ふ夜長かな  仲田直美

●秋雨や出前を急ぐ軽ワゴン    藤原 哲


●庭仕事軽やかなりし秋日和    江口章子




●枝豆の匂ひに寄りし家族かな    仲田直美

●本尊を先づ移動せし秋出水     藤原 哲

●分け入りて乱れる萩にかくれけり  鹿島真順


●児等の声耳に残して盆過ぐる   江口章子


●濠風に帽子おさへて蓮見かな   仲田直美


●空蝉や墓石の文字に爪を置き   藤原 哲


●見送りの大樹の下の涼新た    横山宣子

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