2020年03月05日 高田別院だより 第40号 2020年3月5日発行 二十年という月日の流れに・・・ 別院だより編集長 第六組(高田)最賢寺 金子 正美 思いもかけない火災を縁として、別院のあり方を思い、崇敬(そうきょう)下の皆さんにそのことを伝える手段の一つとして「別院だより」の発行が考えられました。その発行にお声をかけていただいて以来二十年たったということを驚きとして受け止めています。数人で構成された編集委員の中から、住んでいるところが別院に近いというだけの理由で編集長に推されました。発行は年二回。春の法要を主とした三月号と報恩講を主とした九月号に決まりました。どなたに何を書いていただくか。こちらの思いがその原稿に反映されているだろうか? 等々でずいぶん気を遣ったことを思い起こします。しかしそんな心配は全く無用といって良いくらい立派なものを寄せていただきました。そんな中、報恩講を取り上げるときに、南本町小学校の倉庫の中から発見された、当時の生徒さんの手による「おたや絵巻」の出現は衝撃的なものでした。それ以来毎年本堂の参拝の間に展示させていただいております。描かれた方の一人、片山誠二郎さんには「たより」に原稿をお寄せいただきました。貴重なことでありました。 この二十年の間には、蓮如上人五百回御遠忌、親鸞聖人越後御流罪八百年法要そして高田教区宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌が勤まりました。火災が無くてもこれらの法要は勤まったと思われますが、火災を縁としたことで、私たちの気持ちをより身近に法要を受け止めさせたように思われます。 「たより」と併せて、高田別院独自の事業として「親鸞講座」が始まりました。 毎月十二日、午後一時半からです。もう一つ二十七日には親鸞聖人ご命日の集いもあります。高田別院の本堂に身を置いて、担当者も聴聞者も真宗の教えに触れていただきたいと思います。「あゝ、ふた昔・・・・・・」第六組(高田) 淨國寺 山﨑 慎子 「別院だより」を発行するに当たり、編集に加わりませんか、と声をかけて頂いたのが二十年も以前のことだったのかと、今更ながら時の流れの早さをかみしめています。 金子正美さんを編集長に五、六人のメンバーで、当時別院にお勤めの藤原哲さんが、全体のまとめ役でした。 なにしろ二十年前のこととて、全てを鮮明に思い出すことは残念ながら出来ないのですが、初めて集うメンバーが、半ば手探り状態での編集作業でした。 体裁はどうしよう、内容はどうすれば皆さんに読んで頂けるのか、更に別院にお参りの人達にどうアピールできるのか等々。そんな話し合いの中から生まれたのが、南本町小学校の児童によって作製されていた「おたや絵巻」でした。絵巻物は報恩講の際には参詣の間に展示し、参詣の方達にも観て頂きました。素朴ながら貴重な資(史)料と思いますので今後も大切に伝えて頂きたいものです。 そして、思い返して残念に思うことの一つは、編集メンバーの一人、第二組の上宮修清さんが急逝されたことです。大学教員を辞して自坊に戻り、教区内の様々な役も引き受け、自坊の移転や墓地整備を進めるなど、はた目にもよく働かれる方だなァと感じていました。学者らしい視点から「微なる世界」の法話は新鮮な思いでお聞き致しました。 折角の出会いの機会にもっと沢山教えて頂くべきだったと改めて感じております。別院だよりを読み返して第五組(直江津) 林覺寺門徒 小林 義之 年二回発行の「高田別院だより(復刻)」は二〇〇〇年一〇月一日に第一号を発行しました。それ以降年二回の発行を続けております。ご承知のように、金子正美・六組最賢寺御住職は第一号より長きに渡って編集長を務められております。私が編集に携わったのは、二〇〇六年の十三号からですので、かれこれ十五年に。 別院だよりを手に取ってみますと、いろんなことが浮かんできます。主なものを挙げますと、*高田別院「春の法要」 毎年4月*高田別院「報恩講」 毎年10月*宗祖親鸞聖人越後御流罪八百年法要 2007年 4月14日~18日 高田別院 5月25日~26日 国府 光源寺 5月27日 記念大会(上越文化会館) 5月28日 記念俳句大会 別院*宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要讃仰事業参詣 2011年4月下旬*「親鸞となむの大地展」(於 県立歴史博物館) 2014年4月~6月*高田教区宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要記念事業・高田別院大門及び塀御修復工事落慶法要 2018年4月1日~24日などです。皆様も、たくさんの思い出があると思います。これらの思い出を大事にしていきたいものと思っております。◆第40号を記念して第1号の記事を復刻しました◆◎高田別院報恩講厳修のご報告 今年度の報恩講が昨年の10月10日(木)~13日(日)の三昼夜四日間の日程で厳修された。あいにくの台風接近により、13日の公開講演会講師の見義悦子氏(富山教区)に御来院いただけなかったり、「おたや実行委員会」による出店などの催しが中止になったりと、大きな予定変更を余儀なくされた報恩講となった。しかし、そんななか大谷暢裕門首後継者(御鍵役能慈院殿・本年七月一日付御門首就任予定)に御参修いただいての帰敬式と結願日中法要を無事予定通りに執行出来たことは大きな喜びであった。また、悪天候にも関わらず、多くの方に出仕・参拝いただけたことも有り難いことであった。心新たに来年度の報恩講への一年の歩みが始まった。高田別院俳壇◎定例法話のご案内●高田別院親鸞教室『歎異抄』に学ぶ日時 毎月12日(3月から12月)午後1時30分会場 高田別院本堂講師 林康一朗氏(第8組圓性寺)テキスト 『歎異抄』東本願寺出版●親鸞聖人ご命日の集い日時 毎月27日(3月から12月)午後1時30分会場 高田別院本堂講師 3月 滋野康賢氏 4月 選定中●高田別院行事ご案内4月6日(月)別院奉仕研修 講師 大島義男氏(東京「雲集学舎」世話人代表)4月10日(金)・11日(土)高田別院「春の法要」8月5日(水) 暁天講座 8月6日(木) 不戦平和の誓いの鐘10月8日(木)~11日(日)「報恩講」11月上旬 有縁講(高田別院引率)11月下旬 真宗本廟(東本願寺)御正忌 報恩講団体参拝お問い合わせは高田別院まで 025ー523ー2465編集後記 二〇年前に掲載された故堀ほ りさ き 前恵え咸かんさんの「おたや」のおこり(本紙三ページ)を読み返した。終わりの七行にわたる文には「別院の存立の意義」が示されている。これをそのまま、「あんたが預かっている寺の存立の意義」に言い換えて読んでみる。あぁー、強烈なアッパーカットだ。 恵咸さんの生のお声を、聞きたくなった。 (厚)